磁石関連

磁束密度とは?
単位面積当たりの磁束量(磁力線の束数)の事を言います。SI単位(Wb/m2)ではテスラ(T)・CGS単位(Mx/cm2)ではガウス(G)を使います。 加工後、製品化された磁石の特性として示される表面磁束密度は、ガウスメーターなどの計測機で測られた数値と、計算値で予測された数値の場合がございます。
これらは各メーカーによって、計測機・計測環境条件・予測計算方式が異なり、業界標準統一されておりません。
そのため、同じ材質形状でもメーカーによって示される値が異なるため、保証値ではなく参考値となります。
吸着力 Kg とは?
鉄板(その磁石自身以上の厚さ)に吸着させ、垂直磁化方向に引っ張った際に掛かる重量Kg(Kilogram-force 1 kgf = 9.80665 N)。
特性値の「吸着力 Kg」は特性を最大限生かされた場合の参考値になります。保証値ではありません。
耐熱温度とは?
磁石の磁力は環境の温度によって強くなったり弱くなったりを繰り返しています。
この特性は1℃でも温度が高くなれば弱くなり、1℃でも温度が低くなれば強くなります。
そのため環境温度に応じた磁石を選ぶために指針となるのが、材質特性の保磁力になります。
この保磁力から大凡の温度係数と上限工作温度が分かり、これを簡潔に耐熱温度とよんでいます。
通常冷めれば可逆し磁力は完全に回復しますが、この耐熱温度を超えると可逆から不可逆となり、常温に戻しても超えた分磁力が減磁し元の磁力に戻らなくなります。熱によって熱減磁した磁石を再着磁すれば、ある程度元に近い状態に磁力は回復します。
また耐熱温度は完全に磁力が失われるキュリー温度ではありません。キュリー点を超えると、完全に磁性を失いただの石になります。
表面磁束密度の公差バラツキは?
ミリテスラmTやガウスGなどの単位で表される表面磁束密度は、寸法公差と同じようにバラツキがあります。 一般的に表面磁束密度は保証値ではなく参考値として扱われます。公差が生じる主な原因と度合いは、計測器機の機種と使用環境と標準偏差(統計値や確率変数の散らばり具合)に依存します。 そのため一概に±公差で表されていません。
表面磁束密度をガウスメーターで測ると、表記の数値と違うのですが?
ミリテスラmTやガウスGなどの単位で表される表面磁束密度は、同じ磁石を同じ環境で同じ者が測っても、計測器のメーカー・機種・プローブ(ホール素子)の精度・計測箇所・室内温度に依り計測値が異なります。
そのため製品仕様に示す表記仕様値と、実測値に相違があるのが通常です。測定方法と環境はメーカーによって異なり、検査規格基準は業界統一されていません。そのため表面磁束密度を製品仕様上の特性値として規格明記されたものに、絶対的な信頼性はありません。製品仕様値として表面磁束密度を規格とする場合は、以下の計測環境を明確にしなければなりません。

計測環境条件

  • ①計測器のメーカーと機種とホール素子仕様
  • ②計測箇所とギャップ(空間・密着性)
  • ③環境温度
磁石または磁気応用製品の設計に、表面磁束密度を重視して設計する場合は、ご自身の所有する計測器と環境下で実測してください。一般的に参考値と実測値の相関を取りながら設計します。
テスラとガウスの関係は?
1テスラ=10,000ガウス
1ミリテスラ=10ガウス
同じサイズの磁石を2枚重ねれば、磁束密度は2倍になりますか?
2倍にはなりません。
磁束密度は単位面積当たりの磁束量です。縦に重ねても、ある程度は強くなりますが、面積は変わらないため、大きくは変わりません。概算としてφ10mm×10mmの磁石を2つ重ねた場合は、φ10mm×20mmの単体の磁束密度と、ほぼ同じ特性となります。
吸着力1kgの磁石を2個重ねたら、吸着力は2kgになりますか?
なりません。しかし、離して2個設置使用すれば2kgになります。

吸着力が変化する場合の主な要因

  • 1.『磁石の面積』
    同じ磁束密度の磁石なら面積を倍にすれば吸着力も倍になります。しかし実際は、同じ厚さで面積を倍にすると、反磁界が大きくなり、磁束密度が落ちるために、吸着力は倍になりません。
  • 2.『磁石と吸着する金属との隙間』
    隙間が大きくなるにしたがって、吸着力は急激に弱くなりますので非常に大きな要素です。
  • 3.『相手の鉄板の厚さと材質』
    いくら強い吸着力の磁石を使っても、薄い鉄板では吸着力は極端に弱くなります。また、同じ厚さでも炭素の多い鉄では吸着力は弱くなります。

同じ磁石で吸着力を強くするには?

磁石に鉄のキャップをつけることで、有効な磁気回路をつくれば吸着力を上げる事が出来ます。
その例としてキャップマグネットが挙げられます。キャップマグネットのように、磁気回路(磁束の通り道)を設計することで、磁石を有効に使うことができます。
2kgの物を磁石で吸着固定したいのですが、どれを選んだらいいですか?
くっつき具合は好みや感じ方にもよるため、自身やってみるしか分かりません。使用環境によって大きく異なるため、確かなものを弊社で選定・検証することはできません。吸着力はくっつける【鉄板の厚み】と【表面状態】と【引っ張る角度】と【個人の感じ方】により結果判断が異なります。
試作から少量購入できますので、使用環境下で実際にやってみる方が早いです。
磁石特性として明記しております「吸着力 Kg」を参考にして選び、試作で少量数種購入しお試し下さい。吸着力は特に以下の条件によって変化致します。
  • ●対象磁性体のFe(鉄)含有量
  • ●磁性体(鉄板・スチール板)の厚み
  • ●表面処理状態
  • ●引っ張る角度
時間が経つとどれぐらい磁力が弱くなりますか。(経年減磁)
永久に磁力は保持しています。厳密には経年により弱くなりますが、数十年経過して体感で弱くなったと感じるレベルでは減磁しません。
そのため永久に減磁しないと考える方が一般的で、永久磁石とも呼ばれています。経年減磁よりもむしろ温度変化や反発負荷による減磁の方が遥かに大きいです。
アルニコ磁石に関しては反発させるなどの負荷で減磁しやすいため、再着磁が必要になる場合があります。
ネオジム磁石を70℃の環境で使用したところ、約10%減磁しました。
このサイズのネオジム磁石を、どのくらいの温度で、どのくらいの時間すると、どのくらい減磁しますか?
一概には言えません。磁石の材質や寸法(磁石に加わる反磁界の大きさ)によって違います。
70%で10%減磁したのであれば、グレードの低い磁石なのではないでしょうか。
N極とS極をどうやって判別する(見分ける)のですか?
通常磁石はN極とS極を識別する記はありません。ガウス(テスラ)メーターなどの電子機器で判別しますが、簡易的な判別方法はN極とS極が定かに記された別の磁石をくっつけるか、方位磁針などを近づけて判別する方法です。
磁石を後加工で断裁または研磨できますか?
着磁された磁石の後加工はできません。後加工すると以下の様な問題が起こります。
  • ①加工中に発生する切子や切断粉も磁化しているため、それぞれ反発飛散し、機械工具や付近に付着した磁性粉が容易に除去できない大変な状態になります。
  • ②使用した加工工具が帯磁し、加工精度を劣らせる恐れがあります。
  • ③ネオジム磁石など、防錆のため施された表面処理が剥離することで、まもなく酸化し錆が発生します。
未着磁の磁石であれば可能ですが、以下の様な環境や条件が必要です。
  • ①ダイヤモンド砥石・ワイヤーカッターなどの加工設備があること。
  • ②ネオジム磁石の場合酸化し易いため、加工後速やかに防錆表面処理をすること。
  • ③加工後に着磁をすること。
残留磁束密度Brとは?
磁石を着磁するときの過程を考えて見ます。未着磁状態の磁石素材に強い磁界を加えて磁石は磁化されます。
磁化と言うのは物質が磁気的に変化することを表す用語です。永久磁石の特徴は着磁の時の磁界を取り除いても、磁化が残っていることです。
釘のような鉄は磁化がほとんど残っていません、したがって、磁石にはならないのです。
さて、磁界を取り除いて、磁石に加わる磁界をゼロにしたとき、残った磁化の影響で磁石には磁気誘導が残ったままになります。これが残留磁束です。
保磁力bHc(Hcb)とは?
B保磁力ともいいます。磁束密度(磁気誘導)をゼロにするのに必要な外部磁界の強さを言います。磁気回路を設計するときにはこの値が重要です。磁石に逆磁界を加えていったとき、磁石の磁気誘導の値がゼロになる逆磁界の値を言います。
保磁力jHc(またはHcj)……iHc(またはHci)とは?
I保磁力とかJ保磁力ともいいます。

さらに詳しい解説

磁化をゼロにするために必要な外部磁界の強さを言います。つまり、bHcは磁気の状態をゼロにする外部磁界の強さであるのに対して、iHcは磁化という一種の物質の変化の状態をゼロにする外部磁界の強さです。
B保磁力よりも強い逆の磁界を磁石に掛けて行くと、磁石の中の小さな磁区(植物の細胞にあたる磁石の最小単位)は逆磁界の力に負けてしまい、その逆磁界の方向に向きを変えてしまいます(着磁されてしまいます)。
今まで一致団結して一方向を向いていた磁区という兵士が逆方向の勢力に負けてしまい反旗を翻して逆方向に向いてしまうわけです。
これを磁化の反転と言います。正規の方向を向いていた磁区と、反旗を翻した磁区が同じ量になって勢力が全く等しくなったとき、これを磁石の磁化がゼロになるといいます
このときの逆方向の磁界の強さがI保磁力です。
I保磁力はB保磁力よりも必ず負の方向に大きい値です。
希土類磁石はこのI保磁力が温度によって大きく変わるので、注意が必要です。
つまり温度に強い希土類磁石(特にNdFe磁石)を選ぶには、I保磁力が多少変動してもB保磁力に影響を与えない位大きなI保磁力を持っている磁石を選ぶ必要があります。
また、I保磁力は磁石を着磁するとき、どの程度の磁界を磁石に加える必要があるかを知る重要な値です。
磁石の素材によりますが、一般的にはI保磁力の3~5倍程度の強い磁界を加える必要があります。
保磁力は磁界の単位で、SI(MKS)単位系では A/M(アンペア/メーター)、cgs単位系ではOe(エルステッド)。 その換算は 1Oe=80A/Mです。
最大エネルギー積 (BH)maxとは?
磁石に逆磁界(H)を掛けて行くと、磁石の磁気誘導(B)は減少していきます。

さらに詳しい解説

このHの値と、Bの値を掛けた値、つまりB×Hの値(掛け算のことを積といいます)の内、最大になる値を言います。もちろんこの値が大きいほど、磁石としては優れており、小型で使うことができます。
別の言葉でいえば、エネルギー積(B×H)は単位体積の磁石内部に秘めているエネルギーの量を表しています。
このB×Hの最大値が最大エネルギー積です。
内部に秘めているエネルギー量を表すわけですから、たとえば、同じ吸着力を出すために、最大エネルギー積20の磁石は、最大エネルギー積5の磁石の4分の一の体積になるというわけではありません。
吸着力はQ3で述べたように複雑な要因で決まります。
磁石の密度とは?
文字通り、その磁石としての物質の密度(比重)です。同じ体積なら大きいほど重くなります。
  • 水1.0
  • フェライト磁石(焼結)4.8位
  • NeFe磁石(焼結)7.5位
  • アルニコ磁石(鋳造)7.3位
  • 鉄は7.9
キュリー温度とは?
強磁性体が強磁性体で無くなるはずの温度です。

さらに詳しい解説

当然、磁石は強磁性体です。磁石を加熱した場合、このキュリー温度までは磁石として使えると思っている方がおりますが、これは誤りです。磁石を加熱すると減磁します。
そればかりかフェライト磁石を除く現在の工業用磁石は、キュリー温度に到着する以前の低い温度で組織が変わってしまい、着磁しても磁石にならない単なる石ころになっています。
ビッカース硬度とは?
物質の硬さを示す量です。

さらに詳しい解説

試料にピラミッド型の小さなダイヤモンドを押し込みその圧痕の対角線の長さで硬度を表すものでHvで表します。
  • 石膏60Hv
  • 蛍石200Hv
  • 石英1100Hv
上に述べた(金属や焼結の)硬い磁石はおよそ600Hvです。
磁石メーカーのカタログにこのビッカース硬度が書いてあるものもありますが、あまり意味がありません。
あえて言えば、加工する時にダイヤモンドカッターが必要ですということを示すために書いてあるのでしょう。
実際に磁石を用いるにあたっては、硬度よりも脆性(ゼイセイ)の方が役に立つはずです。
硬度は引っ掻いて傷が付く度合いを表す量ですが、脆性は衝撃に対する強さを表します。
実はSmCo磁石やフェライト磁石は衝撃に対して強くありません。しかしどういうわけか、どの磁石メーカーも脆性のデータは公表しておりません。
株式会社マグファインの高気密樹脂コーティング(ハイデンコート)は脆性の低い磁石の強度アップに極めて有効です。
時計・パソコン・電気製品・クレジット・キャッシュカードへの影響は?
基本的に精密機械や磁気記録媒体・電子記録媒体などには近づけないでお使いください。
磁気記録媒体や電子記録媒体などの記録装置とメディア媒体は、磁気を利用してデータが記録されています。
そのため外部から別の磁気(磁石)を近づけると、データが消える可能性がございます。どれぐらいの距離cmを近づけることで消える(壊れる)可能性があるかは、磁石の材質とサイズ、対象となる物により異なり、あいにく実証データはございません。
比較的弱い磁石であれば、カセット・ビデオテープやフロッピーディスクといった古いメディアに対して長時間密着させた場合に、ノイズや画像の乱れなどが加わる可能性がございますが、完全に消える可能性は低いです。
USBメモリーやSDカードなど近年の新しいメディアに対しては、長時間密着させない限り、過度に心配する必要はありませんが、念のため遠ざけて同じ場所や近辺に保管しないでください。
磁石が人体へ与える影響は?
人体も含め磁気は全てのものに影響を与えています。凝りが緩和されるなど、磁気による影響作用を期待する製品は多いですが、稀に疲れるなどの体質の方もいるようです。ペースメーカーなどを使用している方は、医療器具メーカーへお問い合わせ下さい。
ネオジム磁石など表面処理にメッキがしてある磁石は、体質により肌が荒れるなどの影響がでる場合があります。
磁石の保管方法
ネオジム磁石など酸化し錆び易いものは、低湿度で室内温度管理された環境で保管することにより、防錆保管することができます。一般家庭では、ドライボックス(除湿庫)・エアコン(室内温度管理)・タッパ(密封)などをご利用下さい。
磁石の遮断方法
強力な磁力を放つ磁石の場合、厚く緩衝材で梱包し、磁性体から遠ざけて保管することで、吸着力が軽減されます。鉄板などで囲むと、磁気が遮断されます。 小さい磁石であれば、菓子箱などに使われるブリキ缶ケースなど、磁性体の箱に保管することで、磁気軽減遮断ケースとして用いることができます。
磁石の廃棄方法
磁石は永久磁石のため、強い磁気を放ったまま廃棄すると、事故に繋がる場合があります。
磁石を厚く梱包し、できるだけ磁気の影響が軽減された状態で廃棄して下さい。産業廃棄物として廃棄する場合は、専門の廃棄業者に依頼し、埋め立て処理されます。一般家庭ゴミとして廃棄する場合は、ワレモノ・危険物などの扱いで、最寄りの自治体に従って廃棄して下さい。
磁石を接着剤でくっつけたいのですが、何を使えばいいですか?
くっつける相手の材質によって選びます。

磁石と磁石の場合

  • 金属・陶磁器・ガラス用接着剤などの2液型のエポキシ系接着剤
  • セメダイン製……ハイスーパー5
  • コニシ製……ボンドクイック5 など

磁石と樹脂・プラスチック・木材の場合

  • 互いの材質が違うので、相性によりますが、多用途型接着剤があります

店舗関連

サンプル(試作・試供品)をいただきたいのですが?
 1個からご購入いただけます。生憎ではございますが全て無償・無料でお応えすることができません。
また磁石はサイズに関わらず宅急便で送る必要がございます。ご理解ご了承くださいますようお願い致します。
メール便での発送はできますか?
大きさに関わらず、磁気が外部に漏れないように梱包するため、全て宅配便を利用させていただいております。
メール便での発送は磁気が外部に漏れ、輸送中他の輸送物に影響を与える恐れがあり、お断りしております。申し訳ありません。
海外への発送・納品はできますか?
弊社への発送・納品は可能ですが、全額前払いになります。また当事国の税関で検査または返送された場合の遅延や、破損紛失による保証は、一切致しかねます。発展途上国や社会主義国など、税関に不当に差し止められ、不測の費用を求められる場合があります。
当事国の関税・消費税・通関手数料など掛かる場合は、全てお受取人にお支払いいただく事になります。
海外間輸送でも請求支払いが国内で発生する場合、国内取引同様消費税が掛かります。ご心配の場合は、国内納品をお選びください。
商品カタログはありますか?
あいにく紙媒体でのカタログはご用意しておりません。インターネットに公開している電子カタログのみになります。
来店して購入できますか?
生憎弊社は工場になり、レジ・店員を用意しておりません。陳列棚に商品を展示しておりませんので対応できません。
返品キャンセル・交換したいのですがどうしたらよいですか?
  1. お客様の手違いによる都合の場合、一切お受けできません。
  2. 弊社の手違いによる都合の場合、返品・返金・交換を承ります。