航空貨物梱包 【注文時可能・納品後不可】

永久磁石などの磁性物質を飛行機で輸送する場合、航空計器に影響を与える恐れがある為、梱包をIATAが定める磁気漏洩規定に満たした状態にする必要があります。この規定は、IATA危険物規則書において定められており、磁石に限らず、危険性を有する全ての航空輸送物質はこの規定に従う必要があります。弊社では、航空便で磁性物質を輸送する製品は、全てこの規定に従った磁気漏洩検査を実施し、出荷しております。必要により、磁気漏洩検査証を発行致します。

磁性体危険物 商品を保護 磁気遮断BOXに収める
基準を満たす梱包 磁力の測定 磁性物質取り扱いラベルを貼る

磁気遮断シールド

磁気シールドに、特別な技術は必要ありません。永久磁石の磁気遮蔽には、鉄板などの磁性体で、容易に磁気を遮断することが可能です。磁石から発せられる磁力線は、鉄板などの磁性体に目がけて発し吸着する性質を持っています。この特性を利用し、磁石に鉄板などの磁性体を近づけることで、放射する磁力線が鉄板内部回路を通り帯磁吸収され、外部へ磁気漏洩しにくくなります。用いる鉄板の板厚が厚く、含まれるFeの含有量が多ければ、より効果的に磁気を遮断する事が可能となります。大型で強力な磁性物質ほど、鉄板を複数枚厚く重ねても容易に磁気を遮断できない場合があります。遮蔽が困難な場合は、間隔を置いて更に鉄板で囲うことで磁気を遮断できます。 以下は、大型ネオジム磁石φ100mm×70mmを、鉄板で囲った場合の磁場シミュレーションです。磁気遮蔽鉄板の有無と鉄板の板厚によって、どのように磁気が遮断されているか、磁力線図によって描かれています。鉄板に囲まれた磁石の磁力線は、鉄板内部を回路のように流れ、外部への磁気漏洩を防いでいます。

ABC
鉄板材質SS400SS400SS400
鉄板厚-t10mmt20mm
鉄板寸法-220mm×190mm240mm×210mm
磁石寸法φ100mm×70mmφ100mm×70mmφ100mm×70mm
鉄板と磁石
の間隙
-50mm50mm

Q&A

Q 磁石は危険物か?

A 全ての磁石が危険物に該当する訳ではありません。高磁力の磁性体の航空輸送に限り、UN2807磁性物質は第9分類に該当し、危険物扱いになります。文具品・小道具・初心者マーク等に用いられる磁性を持つ製品でも、磁力の弱い磁石については、数量サイズに依り、危険物とは見なされない場合があります。あらゆる電化製品にも、永久磁石が内部に用いられていますが、それらも該当致しません。概ね、税関への輸出申告に、内容物を磁石と申告する場合は、磁力の強弱に関わらず、全て危険物に該当と見なされます。

Q 磁性体とは?

A 磁性体とは、磁性を帯びる事が可能な物質を指します。鉄を含有するほぼ全ての物質は、帯磁し、磁石に吸着します。簡潔には、鉄が磁性体です。

Q 磁性物質とは?

A 磁性物質とは、鉄に吸着または反発する物質です。電磁石は、通電しない限り吸着しない為、磁性物質には該当致しません。簡潔には、永久磁石が磁性物質です。

Q IATAが定める空輸可能磁性物質の定義と判断基準

A IATA危険物規則書・包装基準953(旧902)によれば、以下の様に定義されています。

分類対象物件航空輸送輸送条件判断基準
A 非磁性物件 可能 一般貨物扱い 航空輸送の為に包装された磁性物件の表面上の任意の点から2.1mの距離において、0.159A/m(0.002Gauss)未満、または磁気コンパスの振れが2度未満の物件。
B 磁性物件 可能 Magnetized Material の文言、及びIATAハンドリングラベルNo.UN2807の貼付が必要 航空輸送の為に包装された磁性物件の表面上の任意の点から4.6mの距離において、0.418A/m(0.00525Gauss)未満、または磁気コンパスの振れが2度未満の物件。
C磁性物件不可航空輸送不可A・Bの範囲を超える物件。

Q 磁性を持つ製品

A 磁石を用いられた製品及び部品は、磁性を保持しています。主に、製品内部または外部に使用されている、モーター・スピーカー・ハードディスクなど、殆どの工業用部品に磁石が用いられています。他、文具・アクセサリー留具・初心者マーク・磁気治療器具などがございますが、個々の磁石から発せられる磁力は、危険に値しない程度の為、通常は非危険物となります。但し、集積した場合、IATAの定める磁性物質の定義に該当する場合がありますので、注意が必要です。

Q 磁気遮蔽梱包・磁気シールド

A 梱包方法は種々仕様があり、遮蔽方法に定めはありません。可能な限り磁気を遮蔽するため、梱包内部四方を鉄板で囲います。鉄板は、磁気シールドに最も安易で、効果的に遮蔽することが可能です。磁気シールドは、厚みのある鉄板ほど、効果的に遮蔽することが可能となります。基準となる外部磁力測定の計測器機は、30μTから測定できる高精度・高分解能のテスラメータを用い、安全数値内であることを確認致します。

Q 磁気遮蔽限度

A 依然、磁気が外部に発している場合は、鉄板を数段重ねることで、磁気が遮断されていきます。然し、磁石単体で質量1.5kg以上の磁性体については、高磁力の為、容易に磁気をシールドすることができません。万全な方法で遮蔽シールドする事が可能であっても、万が一外装梱包が破損した場合、重大な事故になる恐れがあるため、航空便での輸送は不可と判断致します。その場合、海上輸送となります。

Q IATAハンドリングラベル No.UN2807

A IATA危険物規則書第7章7.4.1では、白地にブルーのラベルが磁性物質用の特別のラベルと定められています。航空危険物独自の危険物であるUN2807磁性物質は、クラス9の危険物になり、包装等級はありません。磁性物質は積載位置について注意しなければならない為、ラベルには「KEEP AWAY FROM AIRCRAFT COPMASS DETECTOR UNIT」と記載されています。
ICAO分類・区分:9.その他の有害物件IATAコード:MAG

Q 主な航空便輸送禁止危険物

A 代表的な禁制品

 
分類禁制品
危険物火薬類花火・クラッカー・弾薬
高圧ガス消火器・アクアラング・除塵スプレー・携帯用濃縮酸素・ヘリウムガス・キャンプ用ガスコンロ・カセットコンロ用ガス・ライター用補充ガス
引火性液体ライター用燃料・ペイント類・化学製品・アルコール・香水・ガソリン
可燃性物質マッチ・ライター・炭
酸化性物質漂白剤・過酸化剤・小型酸素発生器
毒物類クロロフォルム・加熱蒸散殺虫剤・農薬
放射性物質プルトニウム・ラジウム・ウラン・セシウム
腐食性物質水銀・液体バッテリー
その他強磁性体・エンジン・リチウム電池・ドライアイス・アスベスト
その他麻薬類麻薬および向精神剤
動物生きた哺乳類
猥褻物不道徳な物品

危険物の取り扱いは、航空会社にとって安全運航の根幹に関わる重大な事柄です。 危険物を航空輸送するには、法令で定められた適切な梱包をした上で、 内容物の明細を航空会社に申告することが必要です。


関連用語

IATA(国際航空運送協会)

International Air Transport Association
世界の航空運輸企業の団体。国際線を運航する航空会社、旅行代理店、その他の関連業界のための国際的な業界団体。

JACIS(航空危険物安全輸送協会)

The Japan Air Cargo Institute for Safety
安全な航空危険物の輸送に寄与するべく、航空危険物規則の理解と普及活動を行っている日本の団体。

ICAO(国際民間航空機関)

International Civil Aviation Organization
国際連合の専門機関の一つである。主な業務として国際航空の安全と能率化のために、航空保安施設、空港施設、航空規則、航空交通管制方式、通信組織、航空機の登録・識別、気象情報の収集・交換、航空図、国際航空運送、税関出入国手続きなどについて国際標準、ならびに勧告方式の採択を行っている。